消防点検について【消火器編】

今回は消防点検の1つである消火器についてお話いたします。
〇消火器とは?
火災の初期段階に、人が操作して、安全に消火活動が出来る消防設備です。
消火器の原理としては、以下3つになります。
・冷却消火:火の温度を下げる
・窒素消火:火に供給されている酸素を断つ、または濃度を薄くする
・抑制消火:燃焼の連鎖を断つ
〇消火器の種類
・加圧式
レバーを強く握ると、カッターで加圧用ガスボンベの封板がやぶられ、窒素ガスが消火器内に噴射されます。その圧力により、消火薬剤が混ぜられ、ノズルから噴射されるようになっています。
・蓄圧式
(加圧式消火器・蓄圧式消火器図:モリタ宮田工業株式会社の消火器の種類と構造から引用)
容器内には、消火薬剤とともに、すでに窒素ガスが蓄圧されてあり、レバーの操作によりノズルから放出されます。
また、外部から、圧力ゲージが見えるようになっているので、圧力状態のチェックが簡単にできます。
2008年頃までは、加圧式が主流でしたが。水がかかる場所や、湿気が多い場所に置いて老朽化した加圧式消火器が破裂するという事故が起きたのをきっかけに、現在では、蓄圧式消火器が主流となりました。
〇粉末ABC消火器のABCとは?
みなさんが普段よく目にしているのは、『粉末ABC消火器』(水色枠)になります。
では、一体ABCとは何でしょうか?
それは、国の規格でどのような火災に対応しているかを、表示しているものです。
それぞれ、説明していきます。
[A火災:普通火災]
木材、紙、線維など燃えやすいものの火災を示します。
[B火災:油火災]
ガソリン、シンナーなどの引火性液体の火災を示します。
ABC粉末消火器は水が使えない油火災も消火が可能となります。
[C火災:電気火災]
電線、配電盤、コンセントなど電気設備の火災を示します。
以上の事から、粉末ABC消火器はオールマイティーな消火器であるため様々なところに設置されています。
〇消火器の何を点検しているの?
消火器は主に、以下の5項目の点検をしています。
[設置状況]
・歩行距離20m以下になるよう設置されているか
・床面から、1.5m以下の高さに設置されているか
・標識は見やすい位置にあるか
・通行、避難の妨げにならない場所にあるか
・高温多湿の場所に置いていないか
(屋外や、厨房、ガス発生場所では、消火器を格納箱に入れる)
[外形点検]
・本体容器の錆、傷、変形、腐食
・消火剤の漏れ
・ホースのひび割れ
・ノズルの詰まり
[指示圧力計]
(上図:モリタ宮田工業株式会社HPから引用)
蓄圧式の消火器の場合、圧力計の針が緑色の範囲を示しているか等、確認する
[安全栓]
安全栓が確実にセットされているか、封印がやぶれていないかを確認する
[製造年]
消火器の製造年数を確認し、対応年数を過ぎていないかをチェックする
〇点検頻度は?
6ヵ月に1回、点検をする必要があります。
〇耐用年数
・業務用消火器
→製造から約10年
・住宅用消火器
→製造から約5年
耐用年数を過ぎた消火器は、破裂する危険性があるため、定期的な点検が必要です。
〇消火器の点検せずにいると…?
・消防法違反になる
まず、消防法により建物に設置された消火器は、定期的な点検と報告が義務付けられている消防設備の内の1つです。そのため、消防違反で罰せられる可能性があります。
・火災被害が拡大
いざというときに、消火活動が行えなくなってしまいます。
消火器で消火可能な火も、点検不備で広がってしまい被害が拡大してしまう恐れがあります。
★まとめ★
まだ暑い日も続いていますが、これから段々と乾燥する時期突入していきます。
そうすると必然的に火事が起こりやすい環境になってきます。
広島県は全国でもトップクラスに山火事が多い地域です。過去5年間の県内の山火事件数は2~5月に増加していたそうです。(TBS NEWS DIG 2025年2月記事)
その前に、もう一度見直してみてください!
また消防点検の際に、消火器交換をしなければならなくなった時は、無料交換を実施しております。
無料見積を実施しておりますので、沖消防へお気軽にご連絡ください。